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EOS Kiss M2を手に持ったところ

キヤノン「EOS Kiss M2」をプロが実写レビュー! 子どもを綺麗に撮れる初心者向けカメラ

Canon EOS Kiss M2 EF-M15-45 IS STM レンズキット ブラック

Canon EOS Kiss M2 EF-M15-45 IS STM レンズキット ブラック

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ミラーレスカメラ

公開日:2021年7月16日(2023年4月12日更新)


近年人気が高まっているミラーレス一眼カメラ。なかでもキヤノンの「EOS Kiss M2」は、AF性能が全体的に進化し、よく動く子供でもいきいきとした表情を捉えられます。初心者にも最適なその性能を、プロが実際に撮影して検証します。

1 入門向けミラーレス一眼シリーズの最新モデル「EOS Kiss M2」

EOS Kiss M2のイメージ

キヤノンEOS Kiss M2は、2020年11月に発売されたEOS Kissシリーズの最新モデルです。Kissシリーズといえばいわずと知れたキヤノンのエントリーモデル一眼カメラですが、実は隠れた実力機。これだけで家族写真はもちろんスナップ・風景・ポートレート、果ては天体まで一通りの撮影をこなしてしまう万能機でもあります。

また、もともと小ぶりで使いやすかったKissシリーズですが、ミラーレスになってさらに小型・軽量になり、気軽に持ち出して使うのにぴったりのカメラになりました

2 前モデルからの進化点は?「EOS Kiss M2」の基本機能を紹介

EOS Kiss M2とEOS Kiss Mのイメージ

△「EOS Kiss M2」(左)と「EOS Kiss M」(右)

2020年11月に発売されたEOS Kiss M2は、2018年3月に発売されたKissシリーズとして、はじめてミラーレスになったEOS Kiss Mの後継となる機種です。

主なスペックにはほとんど違いはありませんが、実際に使ってみるとその差は明らか、AFの俊敏さや確かさでは、格段に進化を感じます。また省電力化されたのか、ミラーレス一眼カメラにしては電池の持ち時間も体感できるほどよくなっているのもうれしいポイントです。

■瞳を捉えるAFなど、AF性能が全体的に進化

EOS Kiss M2のAFは、撮像素子自体をAFセンサーとして利用する「デュアルピクセルCMOS AF」を搭載しています。これ自体はEOS Kiss Mと変わらないのですが、人の瞳にピントを合わせる瞳AFが、サーボAF(動いている被写体にピントを合わせ続ける機能)に対応し、動いている子どものような被写体でも高精度なピント合わせが可能になりました。

また従来機では、結構アップにしないと瞳が検出できなかったのですが、M2では全身を撮影する場合はもちろん、かなり遠い被写体の目にもピントを合わせることが可能になりました。これによって、走ってくる子どもや歩いている人物を遠くから狙う場合にも瞳にピントを合わせ続けることが可能になり、より動きのある写真を撮影できるようになりました。

EOS Kiss M2の瞳AFのイメージ

△瞳検出の精度は驚くほど! かなり遠い被写体でも、軽々と瞳を検出してくれます

■外観や撮像素子等は変わらず

AFの進化には本当に驚かされるのですが、外観はグリップ部分がちょっと細くなったかな、くらいのもので、スペック上のサイズは全く同じ。重さはわずか3gほど、M2の方が軽いのですが、体感上はほとんどわかりません。

グリップが細くなったことで、ホールド感に差が出るかと思ったのですが、うまく設計されていて比較的大きな男性の手でも持て余すことはありませんでした。

同じ場所はサイズだけでなく、撮像素子や画像処理エンジン(DIGIC8)も同じ、ISO感度の設定範囲も同じ、連写速度など主なスペックも変わりませんが、AFが動作可能な明るさを示す測距輝度範囲は-2EVから-4EVと進化し、かなり暗いところでもAFが使えるようになりました。

EOS Kiss M2を手に持ったところ

△手が大きくても小さくてもしっかりグリップできるのはうれしいポイント

■別売の「トライポッドグリップ HG-100TBR」はぜひ買いたい

EOS Kiss M2は動画撮影機能もブラッシュアップされ、カメラからストリーミングでライブ配信できるようにもなりました。また縦動画にも対応しているので、SNSなどに投稿する場合にも便利です。

トライポッドグリップ HG-100TBRの製品画像

△トライポッドグリップは動画撮影に欠かせないグリップと三脚、リモコンを備えた優れもの

そんな動画機能を使いこなすときにおすすめしたいのが、トライポッドグリップHG-100TBR。取り外し可能なワイヤレスリモコンを内蔵しているので、グリップとして使った場合はカメラ本体に触ることなく手元で操作できますし、三脚として使った場合には離れたところからAFの調整やリモート撮影ができるので、とても便利です。

3 レンズキットはどれを選ぶべき?

EOS Kiss M2にはボディー単体のほかに3つのレンズキットが用意されています。それぞれのキットのレンズが活躍する状況を説明していきましょう。

■EF-M15-45 IS STM レンズキット

EF-M15-45 IS STM レンズキットを取り付けたEOS Kiss M2

35mmフルサイズ換算で24mm~72mmという標準ズームレンズEF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STMが付いたセット。標準ズームは何はともあれ1本持っていたいレンズですので、カメラを触るのがはじめての人や、スナップや家族写真を気軽に撮影してみたいという人におすすめです。

EF-M15-45 IS STM レンズキットを使ってみる

■ダブルレンズキット

EOS Kiss M2とダブルレンズキットの画像

標準ズームレンズのEF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM と35mmフルサイズ換算で約35mmになるEF-22mm F2 STMという明るい単焦点レンズが付いたモデルです。明るい単焦点レンズを使うと、背景のボケを活かしたポートレートや、暗い場所での撮影で便利。ただ、標準ズームと焦点距離が被るので、少しこだわった写真を撮る人向けともいえるでしょう。

ダブルレンズキットを使ってみる

■ダブルズームキット

EOS Kiss M2とダブルズームキットの画像

ダブルズームキットには、標準ズームレンズ「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」と望遠ズームレンズ「EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM」の2本が付きます。35mmフルサイズ換算で、88mm~320mm相当の望遠ズームレンズがあれば、運動会やお楽しみ会などの舞台で活躍する子どものアップが狙えるのはもちろん、風景写真や動物などを撮影するときにも便利。表現の幅を広げてくれます。

ダブルズームキットを使ってみる

■マウントアダプターを使えば従来のEOSレンズも使える

マウントアダプター EF-EOS Mの製品画像

△マウントアダプター EF-EOS M

今までキヤノンEOSシリーズの一眼レフを使ってきて、何本かレンズを持っているなら、純正のマウントアダプターを使ってEOS Kiss M2に付けて使うことができます。AFはもちろん、手振れ補正など、もとのレンズが持っている機能はほぼすべて今までどおり使うことができます。

フルサイズ用のEFマウントレンズをはじめ、APS-C用のEF-Sレンズも使うことができるのもうれしいところ。サイズが少し大きくなってしまうのが難点ですが、手持ちのレンズ資産を活かせるので、ひとまず標準ズームだけ専用のものを使いながら、たまにしか使わないレンズはEFレンズを使っておくというのもおすすめです。

マウントアダプターEF-EOS Mの製品画像

△マウントアダプターEF-EOS Mを使えばEFレンズ資産を活かせる

4 実写レビュー

さっそく、EOS Kiss M2を使ってみました。撮影してみて良かったポイントをご紹介します(作例写真はいずれも撮影後圧縮しています)。

■コンパクトで持ち運びやすい

まず触ってみて思うのが、軽くて小さいこと。レンズ部分の出っ張りがあるので、さすがにコンパクトカメラ並みとまでは言えませんが、とにかく小さい! そして子どもに向けてシャッターを何枚か切ってみると……まるで最新のスマホのカメラ並み、いやそれ以上に、楽にきれいな写真が撮れてしまうのです。

顔+追尾優先AFに設定すれば、くるくると動き回る子どもにもピントが合いますし、露出もカメラ任せでほぼ問題なし。複数人がファインダーのなかにいても液晶画面をタップすればピントを合わせる人が切り替えられるので、メインの人物以外が画面に入っても、面倒な設定変更をせずに撮影を続けられます。

EOS Kiss M2のイメージ

レンズが出っ張っているとはいえ、EOS Kiss M2のボディーは十分に小さいので、ちょっとしたショルダーバッグなどに入れて運ぶことも可能です。

■AF強化で動く子どもも撮影しやすい

EOS Kiss M2で撮影した、走っている子ども

サーボAFが強化されたおかげで、走ってくる子どもにも常にピントを合わせられます。このときには、秒7.4コマの連写機能と組み合わせて撮影したのですが、面白いようにピントを合わせ続けてくれます。これで望遠ズームレンズを使えば、運動会も怖くありませんね。

■いろいろ実写してみました!

EOS Kiss M2で、遠くで走っている子どもを撮影

△なんとこのくらい離れていても、瞳AFが使用可能。一度、追尾優先AFをはじめると、顔が横を向いたり木の陰に入ったりしても、怖いくらいに追いかけ続けてくれます

花火を楽しんでいるところの撮影画像

△花火くらいの明るさがあれば、ストロボなどの照明がなくても雰囲気のある写真が撮れます

EOS Kiss M2で撮影した夕日に照らされるタンポポ

△EF-M28mm F3.5 マクロ IS STMを使って、夕日に照らされたタンポポの姿を接写。+0.7段ほど露出補正をしていますが、露出シミュレーションで撮影結果を見ながら撮影できるので、難しいことは何もありません

EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM

△EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM。照明を内蔵しているので、小さい花や昆虫など暗くなりがちな撮影にも楽に対応できます

EOS Kiss M2のイメージ

△撮影中、子どもにカメラを奪われてしまいました。昔の一眼レフなら大人が持ってこのくらいのサイズ感でしたよね

■「EOS Kiss M2」をプロが使ってみた感想は?

実際にEOS Kiss M2を使っていて感じるのは、繰り返しになりますが「とにかく楽にきれいな写真が撮れる」ということです。普段カメラマンが行っている露出補正やピントの移動などを、すべてカメラが勝手にやってくれるというイメージでしょうか。

ここまでいってしまうと、写真を撮る楽しみが減ってしまうんじゃないかと思う方もいるかもしれません。しかし、面倒な撮影中の操作をカメラがやってくれるおかげで、失敗も少なくなりますし、その分被写体の表情や動き、構図などに集中できるので、楽しみはさらに増えることでしょう。

自分で操作したい、という方も心配は不要です。EOS Kiss M2はマニュアルモードをはじめ、AVモード、TVモードなど玄人好みのモードもちゃんと付いていて、すべて自分で動かしたいときにもしっかり対応してくれます。

もうひとつうれしいのは、ファインダーが内蔵されていること。現在、EOS Kiss Mシリーズでファインダーが内蔵されているのは、このEOS Kiss M2しかありません。最近は背面液晶を見て写真を撮ることが増えましたが、暗い場所や炎天下などでは、まだまだファインダーがあると便利です。

進化した「EOS Kiss M2」で子どもの
いきいきとした表情を写真に残してみよう
EOS Kiss M2をレンタルする

5 EOS Kiss M2はどんな人におすすめ?

■身近な被写体を、ちょっと本格的に写したい人

一眼カメラというと、使うのが難しそうというイメージを持っている人もいるかもしれませんが、このEOS Kiss M2はそんなイメージを簡単にひっくり返してしまうくらい、楽なカメラです。

たとえば、子どもと遊園地や公園、キャンプにでかけるとき、はたまた学芸会や運動会といった行事など、EOS Kiss M2が活躍してくれること間違いなし。スマホ搭載のカメラもずいぶん性能があがったとはいえ、ズームが使いにくい、望遠が充実していない、暗い場面の撮影ではブレてしまうという難点が。そんな悩みを解決してくれるのが、EOS Kiss M2なのです。

スマートフォンの写真からちょっとステップアップして、素敵な写真を撮りたいと考えている人にはぴったりのカメラと言えるでしょう。

EOS Kiss M2を持つ子ども

△子どもでも持てるほど軽くて小さく、さらに簡単に撮影できるのは本当に驚き!

※2021年7月16日時点での情報です。

最新情報について、詳しくは「メーカーのホームページ」でご確認ください。

※表示金額はすべて税込価格です。

※商品写真および画像はイメージです。

■ 取材・執筆

青柳敏史

青柳敏史

1976年埼玉県生まれ。東京造形大学研究生終了後、雑誌編集部などを経てフリーランスの写真家として独立。天体写真を主軸とし、雑誌での撮影やテクニカル記事の執筆など多方面で活動している。


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