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ARグラス「Rokid Max」

最新ARグラス「Rokid Max」の実力をレビュー!使い勝手や視力補正機能について解説します

【新品】Rokid Max ARグラス

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ARゴーグル
公開日:2024年2月15日


ARグラスと聞くと、未来的なイメージがありますが、最近は手軽に使えるアイテムとなりつつあります。ドコモが発売した「Rokid Max」もそのひとつ。

最大215インチの大画面で映像やゲームを楽しめるほか、Android TVに対応した「Rokid Station」と接続して、さまざまなアプリやサービスを利用できるアイテムです。この記事では、Rokid Maxでどのような映像体験が楽しめるのか、実機を使って確かめてみました。

1 ARグラス「Rokid Max」とは?

Rokid MaxでRokid Stationの映像を視聴

△空間に大画面映像を浮かべて楽しめるARグラスです

ARグラスRokid Maxとは、中国Rokid社が開発したメガネ型の拡張現実(XR)デバイスで、国内ではNTTドコモが取り扱っています。

215インチ相当の大画面でスマートフォンやPCの映像を楽しめるほか、Android TVに対応したデバイスRokid Stationと連携することで、さまざまなアプリやサービスも利用できます。

ここではそんなRokid Maxで楽しめる、ユニークかつ便利なAR体験を紹介していきます。

■ARグラスRokid Maxができること

主にRokid Maxでできることは以下の通りです。

  • ・215インチ相当の大画面で映画やゲームを楽しめる
  • ・PCやタブレットなどと接続して、外部ディスプレイとして機能する
  • ・近視補正ダイヤルで視度調整ができる
  • ・Android TV搭載「Rokid Station」でスマートフォンなしでも、オンデマンドサービスを利用できる

Rokid Maxは言わば「装着する大画面ディスプレイ」といった機器です。そのため、ディスプレイができることは大抵できます。

最も大きな特徴は、視度調整ができるということ。

視力補正ダイヤルを搭載

△0.00D~-6.00Dまでの視力補正が行えます

他のARグラスの場合、専用の補正レンズを作り、視力に合わせたモデルを選ぶ必要がありますが、Rokid Maxは近視補正ダイヤル(0.00D~-6.00Dまで)での視力補正が可能

「近視補正ダイヤル」を回すことで調整できます。普段メガネをかけている人も、カジュアルにダイナミックなARビジョンを楽しめます。

■Rokid Stationは必要?

Rokid Station

△Android TV搭載で映像コンテンツやゲームを楽しめるRokid Stationです

Rokid Maxの周辺機器であるRokid Stationは、Android TVを搭載した映像デバイス。

Rokid Maxを楽しむために必須というわけではありませんが、スマートフォンの代わりにAndroid TV対応アプリやPrimeビデオ、TVerなどオンデマンド映像コンテンツやゲームを楽しめるようになります

バッテリー駆動時間も約5時間と長く、サイズもコンパクト。エンタメやシアター体験に集中したいなら、持っておいて損はありません。

Rokid Maxのレンタルはこちら

2 Rokid Maxの対応デバイス・接続方法

ARグラスRokid Maxは映像を表示するのがメイン機能。利用には外部機器との接続が必要となります。

基本的にはUSB-Cケーブルで接続すればOKですが、ゲーム機では機器によって接続方法が異なり、周辺機器が必要になることも。ここでは、Rokid Maxの接続方法や、対応機器についてご紹介します。

■スマートフォン・PC・タブレット対応。対応機種は事前に確認必須

Rokid Maxで大画面を楽しむには、まず手持ちのスマートフォンやPC、タブレット、ゲーム機が対応機種となっているかを確認しておく必要があります。

以下の対応機種一覧より、まずは自分の使いたい機器が対応しているかどうかを確認しておきましょう。

※対応機種一覧はこちら

■iPhoneへの接続方法

スマートフォンとの接続の一例として、iPhone 15シリーズ(iPhone 15 Pro)への接続例を紹介していきます。

有線接続で使用する方法

Rokid MaxにiPhone 15 Proを接続

△付属のUSB-CケーブルでiPhone 15 Proに接続します

USB-Cに対応したiPhone 15シリーズでは、Rokid Max付属のUSB-Cケーブル1本を接続するだけでOK。接続するだけでRokid Maxへの給電と映像出力が行われるので、手軽で確実ですし、メイン接続方法となります。

なお、Rokid MaxはHDCPに対応しているので、NetflixやAmazon Primeビデオなどの視聴も可能です。

Wi-Fiを用いてワイヤレスでCastする方法

Rokid MaxにiPhone 15 Proを接続

△Rokid Stationへキャストしている様子です

Rokid Stationがあれば「Chromecast built-in」機能でスマホ画面をキャストすることもできます。この場合は両方の機器が同一のWi-Fiに接続されていればOKです。YouTubeなど対応アプリの画面に表示されるCastボタンからCast先を選びます。

■その他デバイスへの接続方法

接続方法は接続する機器によって異なります。基本は、USB-Cケーブルでの有線接続。Rokid Maxの左テンプルに付属のUSB-Cケーブルを接続し、もう片方は映像を出力したいデバイスへと接続すればOK

また、Rokid Stationがあれば、Chromecast機能を使ってスマートフォンの画面をWi-Fiを使ってキャスト表示することも可能です。

ゲーム機も接続可能です。ただし、ニンテンドースイッチでは専用のアダプタRokid Hubが必要となり、HDMI映像出力のPlaySation、Xbox SeriesなどではHDMIをUSB-Cへと変換するアダプター(HDMI to USB-Cアダプター)が必要です。

3 Rokid Maxを使用して実機レビュー!

今回はRokid MaxとRokid Stationの実機を借りて、付属品の構成やどのようにして映像が映し出されるのか?その鮮明さやサイズ感、コンテンツを視聴した時のフィーリングなどをチェックしてみました。

■Rokid Maxの本体&同梱品

Rokid Max本体

△Rokid Max本体の付属品一覧です

Rokid Max本体は一見すると少しフレームの太いサングラスといったデザイン。遠目から見ると、これが映像デバイスだとは気づかれないレベルですね。

付属品は、目の前の透過をシャットアウトできる「遮光カバー」、機器との接続のための「USB-Cケーブル」、「ノーズパッド」「携帯用ケース」「クリーニングクロス」、「ユーザーマニュアル」といった構成になっています。

Rokid Max本体の仕様はこちらです。

ディスプレイ Micro-OLED
画面サイズ 最大215インチ
解像度(両眼) 1920×1080×2
視野角(対角) 最大50度
輝度 最大600Nitsの知覚輝度
リフレッシュレート 最大120 Hz
接続方法 USB Type Cケーブル(DisplayPort Alternate Mode)
DoF 3DoF
視力調整 0.00から-6.00(ダイヤルで調節可能)
寸法 使用時 W159×D175×H47mm、折り畳み時 W154×D56×H53mm
重量 75g

Rokid Maxの投影部

△Rokid Maxの投影部。映像がレンズに反射して表示されます

本体上部のMicro-OLEDディスプレイに映し出された映像が、角度の付いたレンズに反射することで眼の前に浮かび上がって表示されるといった仕組み。規格上120Hzの高リフレッシュレートにも対応しているのがポイントですね。

なお、3DoFモードは専用のスマートフォンアプリでのみ使えるようで、3D空間にデジタルオブジェクトを固定するような使い方は、アプリ側での制限があります

■Rokid Stationの本体&同梱品

Rokid Station

△Rokid Station本体と付属品です

こちらは「Rokid Station」。本体と充電用の「USBケーブル Type A-C」、Rokid Maxに接続するための「Micro HDMI to Type-C ケーブル」、「ユーザーマニュアル」。写真には写っていませんが、NTTドコモ版には「Rokid Station リモコン」も付属します。

Rokid Stationの仕様はこちらです。

ハードウェア 64ビット 4-コア ARM CPU
バッテリー 5000mAh
ポート HDMI(Micro HDMI)
接続方法 Wi-Fi 5、Bluetooth 5.0
ストレージ 32GB
寸法 W58×D128×H19.7mm
重量 150g

5000mAhのバッテリーとOS(Android TV)を搭載しつつ、コントローラー機能も搭載して150gに押さえている技術力がすごいですね。実際に持ってみると、片手で握れるサイズ感で、ストレスなく利用できました

■装着感は上々。ARグラスでは最軽量クラス

Rokid Maxを装着

△やや大きめのサングラスといった印象で違和感なく装着できます

Rokid Maxの重量は75g。これはARグラスの中でもトップクラスの軽さとなります。

普通のメガネに比べると重さは感じるのですが、ノーズパッドとテンプル(つるの部分)で上手く荷重を分散して支えているので、見た目の印象よりもずっと軽快です。

フィット感も高くて、派手に首を振ったりしなければ大きくズレるようなことはありません。実際、30分ほどゲームに没頭してみましたが、ズレ落ちることもなければ、重みで肩がこることもありませんでした。

正直、巨大な画面を投影する映像デバイスがこの軽さで装着できているというのは、驚きしかありません。凄まじいテクノロジーの進歩を感じます…。

■周りから映像が見えることはなさそう

Rokid Maxの正面

△かなり近づかないと見ている映像はわかりません

外側のレンズサングラスのように遮光されています。この外側のレンズに映像が反射するわけではないので、何を見ているのか周りの人にバレることはないでしょう。実際、活動できる明るさかつ、会話する距離感では投影映像は分からない印象でした。

また、音量のレベルによっては音が漏れる可能性がありますので、公衆の場所でRokid Maxの利用は注意しましょう。

■映像のクオリティは高くサウンドも迫力あり!

正直、映像はびっくりするほどキレイでした。最大600Nitsの明るさで映像も写真もMacのデスクトップすら明るく鮮やか。

しかも、大きな画面が目の前に「ある」わけで、これで映画見たら絶対に楽しいよね!と、すぐにPrimeビデオで映像を探し始めるくらいに衝撃を受けました。

映像の美しさは申し分なし。大画面で鮮明な映像を楽しめた

Rokid Maxの装着時のイメージ画像

△グラスで見られる映像を再現してみました

公式では映像サイズについて「目の前に最大215インチ」と表現されており、広い部屋で楽しむなら、たしかに「大画面」を感じました。

ただ、この感覚はテキストでどう表現すべきか悩ましいところで、個人的には「手を伸ばすと届く場所に40インチ級の画面が浮いている」といった印象に落ち着きました。受け取り方は人それぞれだと思いますが、大きくダイナミックな画面で楽しめることは間違いありません。

映像の鮮やかさは周囲の光量によって変わってきますが、輝度はテンプルのボタンで調整可能。最も明るくすれば、日中の室内でもかなり鮮明な映像を楽しめます。

さらにメリハリが欲しい場合は、付属の遮光カバーを装着。レンズを通して見られる現実世界もシャットアウトできてコンテンツに没入できました。

音質は合格点。ただし音漏れには注意を

Rokid Maxのスピーカー部とボタン

△スピーカーの音量はテンプル部のボタンで行います

スピーカーはテンプル部に搭載。音楽に集中するといった用途ではないので、サイズを考えると音質は合格点という印象です。動画やゲームを遊ぶなら、このサイズでこれだけ鳴れば十分じゃないでしょうか!

ただし、音量を上げると周囲へ音漏れします。ここはMAXご注意を。大音量で楽しみたいならイヤホンを併用すると良いかもしれません。

4 実際に使用してみて、よかった点・気になった点

軽い装着感ながら、ダイナミックな映像をARで楽しめる「Rokid Max」。しばらく使ってみて感じたRokid Maxのよかったポイントと、気になったポイントをまとめてみました。

■Rokid Maxのよかった点

視力補正で幅広いユーザーがカジュアルにARグラスを楽しめる

Rokid Maxは家族と共有可能

△Rokid Maxを視力の異なる人と共有できます

まず最初に語らせてもらいたいのが、視力補正。メガネユーザーの筆者にとって神がかり過ぎている機能です…。

これまでARやVRは視力によるハンデが、そのまま体験へのハードルになっていたので、進んで利用することはなかったのですが、Rokid MaxではAR導入のハードルが下がりました。

視力による影響が全くなくなるわけではないのですが(これについては後述します)、全世界のメガネユーザーが助かるのはもちろん。視力の違う友人や家族ともカジュアルにAR体験を共有できる「使い勝手が良いARグラス」に仕上がっているのではないでしょうか!

想像以上の映像品質! コンパクトに映像・ゲームへの没入が楽しめる

Rokid MaxとiPhoneとコントローラー

△スマートフォンにゲームコントローラーを接続すれば、最小規模ながら大画面でゲームを楽しめます

解像度はフルHD(×2)なので、文字をよく見るとドット感を感じますが、動画やゲームを投影した時の大画面ながら鮮やかな映像は十分に納得できるクオリティで、コンテンツへの没入を手伝ってくれました

特に3Dホラーゲームは、臨場感100%増し(個人的な感覚です)で恐怖を楽しめたことをお伝えしておきます。

好きな姿勢で大画面を楽しめる

自由な姿勢で大画面を楽しむことができるのはやはり良いですね。この対抗馬はプロジェクターなのでしょうが、Rokid Maxなら設置スペースも投影する壁も必要ないのがメリット。大迫力の臨場感と「自由さ」を両立できるデバイスだと感じました。

PCワークシーンでも、画面を見下ろす必要がなく、姿勢を正したままで作業できるのが楽でした。猫背やストレートネック対策としてもよいのかもしれません。

完全に視界を防がないので、手元作業ができる

装着したままでもグラス越しに周囲の様子が見られるので(明るさは落ちます)、映像を見ながらドリンクを注ぐ、スナックの袋を開けるといったことも無理なく行えます

PCワークでも、カメラからSDカードを取り出してリーダーにセットする、スマートフォンの通知を見る、マウスを操作する・キーボードを覗き込む、といった手元操作もできるでしょう。

映像に没頭したい時にRokid Stationが役立つ

Rokid StationではAndroid TVを利用可能

△Rokid StationがあればAndroid TVで映像やゲーム、アプリが楽しめます

コンテンツ視聴は、スマートフォンやタブレットの画面を映し出すのでも十分に楽しめますが、盛り上がっているシーンで通知や着信が来ると興ざめしてしまいます。

その点、Rokid Stationならスマートフォンと切り離してコンテンツに集中できます。必須ではありませんが、テレビやモニター代わりに映像へ集中して向き合いたいのであれば、用意しておいて損はないデバイスですね。

Rokid Stationとセットでレンタルする

■Rokid Maxで気になった点

視野角はVRゴーグルには敵わない

視野角は50度となり、自分の正面に画面が浮かぶスタイル。VRゴーゴルのように広々と見回すせるシステムではないので、人によっては物足りなく感じるかもしれません。

グラスのかけ方によっては画面上部に影ができる

Rokid Max装着時には画面上部でケラレが発生

△Rokid Maxを装着すると、画面上部に影ができます

筆者のかけやすい(投影画面が見やすい)位置だと、上部にある投影ユニットの影がケラレのように画面に映り込んでしまいます。これを嫌って高めに装着すると、今度は画面下部がぼやけてしまうのが悩ましいポイント。

メガネのスイートスポットは人それぞれですので、筆者だけのケースかもしれませんが、購入前になるべく試用して装着感や見え方を確認しておいた方がいいでしょう。

眉間の部分がじんわりと暖かくなる

長時間つけていると、眉間あたりがほかほかしてきます。不快なレベルではありませんが、ストレスに感じる人もいるかもしれません。

強い近視では、透過された世界は見えない

視力補正がかかるのは映像だけなので、近視が強いとRokid Max越しの現実世界は裸眼状態でボケボケになります

そのため、映像を見ながら手元で作業をする、といったケースでは不便に感じる場合があるでしょう。目が悪いというハンデが全て解消されたわけではありませんでした…。

5 まとめ:カジュアルなAR体験を、レンタルでさらにカジュアルに

Rokid Maxの装着

△カジュアルに装着できて、大画面を楽しめます

コンパクトで掛け心地も軽快、視力補正も利くRokid Max、そしてスマホなしに映像コンテンツやアプリを利用できるRokid Station。

自宅ではモニターやプロジェクターの代わりとして楽しんでもいいですし、このサイズ感とビジュアルであれば、電車の中やカフェといった外出時でも十分に活用できるはず。一人で楽しめる大画面ディスプレイを求める人にとってはクリティカルに刺さるガジェットではないでしょうか。

とはいえ、視力補正の利き方や見え方、装着時のフィーリングは個人差があるので、購入前に試しておくのがベスト。店頭でじっくりと試用は難しくても、ドコモのレンタルサービス「kikito」でレンタルすれば自宅で、そして自分の端末で体験できますよ。

Rokid MaxとRokid Stationがセットになっておトクな「Rokid AR Joy Pack」もあるので、カジュアルになったARを体験してみましょう!

※2024年2月時点での情報です。最新の情報はメーカーのホームページでご確認ください。
※商品写真および画像はイメージです。

取材・執筆

小暮ひさのり

1980年01月21日生まれ、群馬県在住。PC誌やWEBメディア(ギズモード・ジャパン/ Yahoo! Creators Program)へ寄稿しているテクニカルライター。特技はお掃除でハウスクリーニングアドバイザーの資格も所有。主な著書は「世界一簡単な大人のLINE入門(宝島社)や「iPad仕事術! シリーズ(standards)」など。

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