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女性が双眼鏡を使っているイメージ画像

コンサート用双眼鏡はどう選ぶ?会場/スペック別おすすめ製品を専門家に聞いてみた

Kenko Tokina ケンコー・トキナー 防振双眼鏡 VCスマート 14×30 倍率14倍

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双眼鏡
公開日:2023年1月16日(2024年2月6日更新)


大好きなアイドルやアーティストのコンサートに行ったなら、できるだけ近くでその姿を見たいもの。そんなとき活躍してくれるのが「双眼鏡」です。でも、どの双眼鏡を選んだらいいか迷いますよね。そこで、双眼鏡をはじめとする光学製品の専門メーカーであるケンコー・トキナーさんに、選ぶときのポイントを伺いました。また、ライターがおすすめする製品もご紹介します。

目次

1 コンサート・舞台鑑賞に双眼鏡は必要?

■肉眼では見えない推しの表情を見たいならマスト!

アイドルのコンサートのイメージ画像

双眼鏡というと、野鳥などの自然観察に使われることが多いと思われがちですが、近年はコンサート会場で使うために購入するケースが増えています。特に2021年末ごろから各種イベントが再開されたこともあり、需要が急速に伸びているそうです。

「コンサートや舞台を見に行ったら、肉眼に焼きつければいい」と考える方もいらっしゃいますよね。でも、実際に会場に足を運んだ方からはこんな声が聞かれます。

「アリーナのスクリーンを見ればいいと思っていたけど、なかなか推しが映らない!」
「推しが近くに来てくれたけど、微妙に遠くて表情が見えない……」

せっかく楽しみにしていたのに、こんな残念な気持ちになりたくないですよね。そこで活躍してくれるのが「双眼鏡」なのです。

■実は!会場のレンタル双眼鏡が、その会場に合っているとは限らない

コンサート会場によって異なりますが、実は、会場でレンタルできる双眼鏡が会場の規模に合っているとは限りません。多くの場合、低価格のコンパクトタイプの双眼鏡で、倍率が足りなかったり、明るさが十分でなかったり、視界が狭いものであったりします。だからこそ、自分の目的に合った双眼鏡を事前に用意するのがおすすめですよ!

レンタルできる双眼鏡一覧はこちら

とはいえ、双眼鏡は種類や価格帯、性能もさまざまな製品が多数販売されています。何に注目して選べばいいのでしょうか?

双眼鏡をはじめとする光学製品の専門メーカーである、(株)ケンコー・トキナーの廉澤俊樹さんに、選ぶときのポイントを伺いました。

加えて、双眼鏡に詳しいライターがイチ押しする製品も、使用シチュエーション別にご紹介します!

【お話を伺った方】

廉澤俊樹さん写真

株式会社ケンコー・トキナー
アウトドアオプト・ライフスタイル営業部 営業1課
廉澤俊樹さん

テレビ通販やコンサート会場、劇場など、さまざまな場所で双眼鏡の販売・企画を担当。各会場や販売店のニーズに合わせた双眼鏡の製造企画にも携わる。ハロプロファンでコンサート参加も多数。推しメンは橋迫鈴(アンジュルム)。推しグループはBEYOOOOONDS、アンジュルム。

2 コンサート・舞台鑑賞用の双眼鏡を選ぶときのポイント

■いま人気なのは「高性能」で「ちょっと高価」な双眼鏡

以前は低価格の双眼鏡がよく売れていたのですが、最近は、お気に入りのアーティスト、いわゆる“推し(おし)”をもっと大きく見たい、ブレずに見たいという思いから、しっかりと鑑賞できる高性能で、高価格帯のものをよく吟味して購入している印象を受けます。

コンサートで使う双眼鏡は、コンパクトかつ見え味がよいモデル、倍率は10倍くらいを選ぶと、大小問わずさまざまな会場で使いやすいでしょう。手ブレせずに推しをしっかりと見られる「防振モデル」も選択肢に加えたいですね。

(株)ケンコー・トキナーの廉澤さんによると、双眼鏡選びのポイントは以下の5つに整理できるそうです。

  • ・遠くにいる推しを大きく見たいなら→【倍率】の高いものを選ぼう
  • ・推しを明るく、はっきり見たいなら→【口径】の大きいものを選ぼう
  • ・推しだけでなくグループ全体も見渡したいなら→【実視界】の数値が大きいものを選ぼう
  • ・できるだけはっきりくっきり見たいなら→【コーティング】の種類に注目
  • ・推しの表情をブレずにしっかりと見たいなら→【防振】機能付きを選ぼう

では、この5つのポイントについて、細かく見ていきましょう。

■遠くにいる推しを大きく見たいなら→【倍率】の高いものを選ぼう

まず気になるのは、「推しの姿をまるで近くにいるように、大きく見たい!」ということではないでしょうか? そこで重要となるのが「倍率」です。

倍率は高いほどステージ上の推しを大きく見られます。ただし、倍率が高いほど手ブレを感じやすくなるため、長時間双眼鏡を覗くのであれば倍率10倍以下の製品を選ぶのがおすすめです。倍率10倍以下の製品であれば、比較的コンパクトで軽量なものも選べますよ。

双眼鏡の倍率比較のイメージ画像

倍率 適正サイズ・規模
6倍 ステージや舞台全体を広く見渡すのに適切な倍率
8倍 小規模なコンサート会場やステージが近いときに適切な倍率
10倍 2階席があるような会場やステージから離れているときに適切な倍率
12倍以上 大規模なコンサート会場や推しを大きく見たいときに適切な倍率

「倍率」とは、どのくらい大きく見えるか、どれだけ遠くの対象を引き寄せられるかを、数値で表現したものです。双眼鏡の製品名に「8×32」や「14×30」とあれば、その前側の数値「8」と「14」が倍率を示しています。

倍率による見え方のイメージは「対象物までの距離÷倍率」でわかります。
例えば、対象者(物)までの距離が100mのとき
倍率8倍だと 100÷8=12.5m
倍率10倍だと 100÷10=10m
倍率14倍だと 100÷14=7.1m
の距離にいるような大きさに見えることになります。

倍率による見え方のイメージの算出方法

■推しを明るくはっきり見たいなら→【口径】が大きいものを選ぼう

屋内ホールで行われるコンサートや舞台は、会場全体が暗いのが普通です。スポットライトが当たっているときはいいのですが、ライトから外れた場所にいる推しも逃さずキャッチしたいですよね。

双眼鏡を覗いたときにどれくらいの明るさで見えるのかは、「口径」で変わってきます。

口径が20mm以下になると屋内では暗くて使いにくいことが多いので、おすすめなのは口径30~40mmの製品。明るさと本体のサイズのバランスがちょうどよく、長時間見ていても苦にならないためです。

「口径」は、専門用語では「対物レンズ有効径」といい、対象物に向けた側のレンズの内径を指します。この「口径」が大きいほど、より多くの光を集めることができ、明るさと解像力が向上するのです。

しかし、口径が大きくなるほど、双眼鏡のサイズが大きく、重くなるので、使用シーンに応じて最適な口径を選びたいものです。ただ、最新モデルでは32mm前後でも本体がコンパクトなものもありますよ。

「ひとみ径」も双眼鏡の明るさを知る目安の一つです。双眼鏡の「ひとみ径」は「対物レンズ有効径」÷「倍率」で割り出せます。この数値が人の瞳孔より大きければ明るく感じますし、小さければ暗く感じます。人の瞳孔の直径は、明るい場所では2~3mmに絞られますが、周囲が暗いと7mmくらいまで開きます。

もう一つの目安として、「明るさ」という数値があります。これは「ひとみ径」を2乗したもので、製品の仕様に記載されることがあります。

ひとみ径 明るさ
5~7mm 25~49 かなり明るい。暗い場所でも対象を明るく見ることができる
3~5mm 9~25 明るい。薄暗い場所でも明るく対象を見ることができる
2~3mm 4~9 やや暗め。日中の屋外で使うのであれば十分に明るい。暗い屋内では視界が暗く、見にくくなる
2mm未満 4未満 暗め。屋内では視界が暗く、見にくくなる

注意したいのは、口径が同じでも「倍率を上げると、暗くなる」ということ。例えば、口径が同じ30mmでも、8倍の双眼鏡ではひとみ径は3.75mmとなり明るく感じますが、12倍の双眼鏡ではひとみ径が2.5mmとなり、使用シーンによってはやや暗く感じられます。

■推しだけでなくグループ全体も見渡したいなら→【実視界】の数値が大きいものを選ぼう

実視界の見え方のイメージ画像

△一般的に、実視界は倍率が高くなるほど狭くなります

推しだけをフォーカスして見たいときもあれば、ほかのメンバーや出演者との絡みを見たいときもありますよね。このとき注目したいのが「実視界」です。

「実視界」は双眼鏡を動かさずに見ることができる範囲を角度で表したもの。同じ倍率の双眼鏡でも、実視界の数値が大きいほど視界が広くなります。この「実視界」の拡大は近年のトレンドで、双眼鏡メーカー各社が力を入れている部分でもあります。

8倍の双眼鏡の場合、「実視界」が7.5°以上あればかなり広く感じます。10倍であれば、6.5°以上、12倍では5°以上、14倍では4°以上は欲しいところです。

また、同じく視界の広さを表す数値として「見掛け視界」があります。この数値は双眼鏡の倍率に関係なく、視界の広さを表すことができる角度で、「実視界」の代わりに製品の仕様に記載するメーカーもあります。この「見掛け視界」が60°以上あるものは、広い視野が得られることから「広視界双眼鏡」と呼ばれます。

■できるだけはっきりくっきり見たいなら→【コーティング】の種類に注目

コーティングのイメージ画像

▼明るさ・くっきり度が高い順に解説!双眼鏡の「コーティング」の種類

フルマルチコート すべてのレンズ面、プリズム面にマルチコート(多層膜コート)を施し、光の透過損失を抑える効果の高いタイプ
マルチコート 空気に接する面の少なくとも1面以上に多層膜コートを施したタイプ
マゼンタコート レンズ面に単層コーティングを施したもので、低価格の双眼鏡にこのタイプのものが多い

同じ口径でも、少しぼんやり見えるか、はっきりくっきり見えるか、実はレンズの「コーティング」によって変わってきます。

「コーティング」とは、レンズ表面や双眼鏡内部での光の反射を抑えるため、レンズやプリズムの表面に塗布する反射防止膜のことです。コーティングが不十分だと、像は暗くなります。また、コントラストが低下し、鮮明に見えなくなります。

コーティングは通常、使用するレンズ1枚1枚の両面に施します。このコーティングの膜が単一の層であるものを「単層コーティング」といい、「マゼンタコート」などはこのタイプになります。

複数のコーティングの層を設けたものを「マルチコート(多層膜コート)」といい、「単層コーティング(マゼンタコート)」に比べ、反射を防ぐ能力が高く、レンズの透過率も高くなります。

「マルチコート」と明記してある双眼鏡のなかには、一部のレンズにのみマルチコートを施しているものもあり、すべてのレンズ面、プリズム面にマルチコートを施したものを特に「フルマルチコート」と呼ぶことがあります。この「フルマルチコート」はより光の反射防止効果が高く、安心して使うことができます。

■推しの表情をブレずにしっかりと見たいなら→【防振】機能付きを選ぼう

どんなに倍率の高い双眼鏡を用意したとしても、視界がブレブレになってしまったら本末転倒ですよね。10倍以上の、倍率が高い双眼鏡を使用するなら、「防振」機能は要チェックです!

「防振」機能とは、内蔵された角速度センサーにより、双眼鏡がどの方向に動いたかを自動的に測定し、この動きを打ち消すようにレンズの一部を逆方向に動かして、手ブレを防いでくれるものです。

【防振双眼鏡のメリット・デメリット】

メリット 高倍率でも安定して推しを見続けられる。像がブレないので、推しを見失う心配が少なくなる
デメリット 通常の双眼鏡より高価格。大きく、重くなる傾向がある。電池切れすると防振機能が使えない。一部機種では電池が切れると像が安定しなくなる

防振双眼鏡では、角速度センサーとモーターを駆動するために電池が必要です。そのため、防振双眼鏡は大きく、重くなる傾向があります。とはいえ、最新の防振双眼鏡のなかには、比較的軽量なものも出てきているのでチェックしてみましょう。

■あると便利!こんな機能にも注目

ほかにもいくつか、便利な機能やチェックしておきたいポイントがあります。

●野外ライブなど屋外で使用するなら「防水」タイプがおすすめ

突然の雨でも安心ですし、水しぶきがかかるようなことがあっても大丈夫です。防水タイプは、密封構造となっていて内部に窒素ガスが充填してあります。空気中の湿気を取り込むことがなく、レンズ内部が曇りにくくなっています。

●メガネを装着したまま双眼鏡を使うなら「アイレリーフ」の長さも要チェック

「アイレリーフ」は、接眼レンズの最終面から「アイポイント(全視野がきれいに見える眼の位置)」までの長さを指します。この「アイレリーフ」が短いと、メガネをかけたまま双眼鏡を覗く際に、視野の一部が欠けてしまいます。メガネをかけている方は「アイレリーフ」が15mm以上あるものをおすすめします。

■まとめ:会場の傾向別・おすすめ双眼鏡スペック

    倍率 防振機能 防水性能 本体の大きさの傾向
高倍率ほど遠くのものを大きく見られる 遠くのものを見るときも手ブレを抑えられる 屋外ライブでの降雨時も安心 小さく軽い方が長時間持ち続けやすい
×高倍率ほどブレやすくなる。視界が暗く・狭くなる ×電池が切れると使えない・価格が高い ×双眼鏡本体の価格が上がる ×本体が大きいと重く、持ち運びしづらい
大規模会場(ドーム、大ホールなど) 前方~中盤席 10倍以上 必須度★★★ 必須度★☆☆ 大きめになりがち
1階後方~2階席以上 12倍以上 必須度★★★ 必須度★☆☆ 大きめになりがち
中規模会場(中ホール、劇場など)   8倍以上 必須度★★☆ 必須度★☆☆ 小さめが多い
屋外会場   8倍以上 必須度★★☆ 必須度★★☆ 小さめが多い

※横スクロールで全項目をご覧いただけます

3 主なコンサート・観劇会場別、おすすめ双眼鏡を紹介

では、具体的に主要な会場で双眼鏡を使うなら、どういったモデルを選んだらいいのでしょうか? (株)ケンコー・トキナーの廉澤さんに、会場の規模別におすすめ※をご紹介いただきました。

※双眼鏡の見え方には個人差があります。目安として参考にしてください。

▼会場別・おすすめの双眼鏡スペック

注目すべき機能 おすすめ製品 倍率 口径 防振機能 視界の広さ 防水性能 本体の大きさの傾向
東京ドーム、京セラドーム大阪クラス 会場規模:4万㎡前後、収容人数:約5万人 この条件に合う双眼鏡はこちら 10倍以上 30mm以上(防振タイプなら20mm以上) 必須度:★★★ 6.5°以上 必須度:★☆☆ 大きめになりがち
さいたまスーパーアリーナクラス 会場規模:4万㎡前後、収容人数:約37,000人 この条件に合う双眼鏡はこちら 10倍以上 30mm以上(防振タイプなら20mm以上) 必須度:★★★ 6.5°以上 必須度:★☆☆ 大きめになりがち
横浜アリーナ、大阪城ホールクラス 会場規模:2万㎡前後、収容人数:16,000~17,000人 この条件に合う双眼鏡はこちら 8~10倍以上 30mm以上(防振タイプなら20mm以上) 必須度:★★☆ 5°以上 必須度:★☆☆ 小さめが多い
日本武道館、マリンメッセ福岡、代々木第一体育館クラス 会場規模:2万㎡前後、収容人数:13,000~15,000人 この条件に合う双眼鏡はこちら 8倍以上 25mm以上(防振タイプなら20mm以上) 必須度:★★☆ 5°以上 必須度:★☆☆ 小さめが多い

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■東京ドーム、京セラドーム大阪クラス
会場規模:4万㎡前後、収容人数:約5万人

倍率は「10倍以上」
口径は防振タイプなら「20mm以上」、通常の双眼鏡なら「30mm以上」がおすすめ!

アリーナ後方やスタンド席など距離の離れた座席では、10倍以上の倍率が必要です。広い会場なので、12倍や14倍でないと推しを大きく見られない場合もあります。防振双眼鏡であれば、推しを見失う心配も少なくなります。口径は30mm以上あると明るく、見やすくなります。

\この条件に合うレンタル可能な双眼鏡はこちら/

■さいたまスーパーアリーナクラス
会場規模:4万㎡前後、収容人数:約37,000人

倍率は「10倍以上」
口径は防振タイプなら「20mm以上」、通常の双眼鏡なら「30mm以上」がおすすめ!

アリーナ後方やスタンド席など距離の離れた座席では、10倍以上の倍率が必要です。推しを大きく見たい場合は、12倍以上の防振双眼鏡があると安心です。コンパクトな双眼鏡では心許ないので、口径が30mm以上の明るい双眼鏡がおすすめです。

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■横浜アリーナ、大阪城ホールクラス
会場規模:2万㎡前後、収容人数:16,000~17,000人

倍率は「8~10倍以上」
口径は防振タイプなら「20mm以上」、通常の双眼鏡なら「30mm以上」がおすすめ!

いずれも楕円形の会場で、座席によってステージまでの距離が違います。ステージのパターンにもよりますが、ステージまでの距離が遠い場合は10倍以上の双眼鏡があると安心です。横浜アリーナの場合、スタンド席の位置によっては12倍以上の双眼鏡が必要になる場合があります。

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■日本武道館、マリンメッセ福岡、代々木第一体育館クラス
会場規模:2万㎡前後、収容人数:13,000~15,000人

倍率は「8倍以上」
口径は防振タイプなら「20mm以上」、通常の双眼鏡なら「25mm以上」がおすすめ!

アリーナ席、1階のスタンド席であれば、8倍でも大丈夫でしょう。2階席や後ろの方の席では、10倍以上あった方が安心な場合もあります。

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4 意外な盲点!?双眼鏡初心者が注意したいポイント

双眼鏡初心者だからこそ、ちょっと恥ずかしい勘違いや思い違いをしてしまうことがありますよね。ここでは、初心者が注意したいポイントをご紹介します。

■双眼鏡を逆から覗いていない?

初めて双眼鏡を手にする方のなかには、間違えて対物レンズ側から覗く方もいます。対物レンズ側から覗いてしまうと、黒い筒の遠くに円形の窓があるように見えるだけです。

対象が大きく見えない場合は、たいてい逆側から覗いてしまっています! 双眼鏡は必ず接眼レンズ側から覗いてくださいね。

■試し見するときは、部屋の中ではなく「屋外」を見よう

双眼鏡を試すときは、狭い室内ではなく、屋外を見るといいでしょう。室内だと距離が足りず、ピントが合わない場合があります。遠くのものにピントを合わせ、どのくらい大きく見えるか、暗くないか、視界が欠けて見えることがないか、ブレずに像が安定しているかなどを、購入前にチェックしておくことが大切です。

■視度調整はコンサート会場に入る前にやっておこう

人の目は左右でわずかに視度が異なります。通常、双眼鏡には左右の目の視度の差を揃えるための視度調整リングが設けられており、使用前にこのリングで視度の調整を行います。

左右の視度が目に合っていないと、見え方が微妙になることも……。視度調整はコンサート会場に出かける前にすませておきましょう! 会場で慌てずにすみます。

視度調整の方法は4ステップ。まず、少し離れた場所にある看板の文字などの目標を決めます。右目を閉じ、左目だけで双眼鏡のピントリングを回して、ピントを合わせます。次に左目を閉じ、右目だけで双眼鏡を覗き、右目の接眼部にある視度調整リングを回してピントを合わせます。この状態で左目を開け、両目で対象物がくっきりと見えていれば、視度調整は完了です。

※双眼鏡によって視度調整リングの位置が異なる場合があります。

■会場に着いたら、開演前に「接眼レンズの幅」と「ピント」をチェック!

コンサート会場に入り、自分の席に着いたら、明るいうちに双眼鏡のチェックを行いましょう。家でやっておいた「視度調整」が適切か再度チェックするほか、左右の「接眼レンズの幅」も自分の目幅に合わせてください。

ピントも、会場が明るいうちにメインステージに合わせておきましょう。開演してから暗い会場内でピントを合わせるのは難しいからです。

■双眼鏡の正しい持ち方は「両手で持って両脇を締める」

双眼鏡は両手で持った方が安定します。両手で双眼鏡を軽くつかみ、両脇を締めるとブレは少なくなります。どうしても片手で持ちたい場合は、両手のときと同様に脇を締めましょう。通常、親指は双眼鏡の下側、その他の指は上側に来ますが、もし双眼鏡が重く感じられるようでしたら、親指と小指の2本で双眼鏡の下側から支える持ち方をすると安定します。

■落下&破損を防ぐ「ネックストラップ」をつけよう

コンサートでは、楽曲によっては一緒に歌ったり、立ち上がって声援を送ったりします。こうしたとき、首にかけるネックストラップがあれば、双眼鏡を落とす心配がなくなります。双眼鏡は精密な光学機器なので、強い衝撃を与えることは好ましくありません。

ストラップの長さは、短すぎると使いにくいので、自分のお腹か、その少し上にくるような長さが使いやすいと思います。また、座席に座って見る場合には、双眼鏡が自分の太ももの上に乗るくらいの長さにしておくと、首が疲れずにすみます。

■メイクでレンズが汚れた!そんなときはクリーニングクロスを使おう

双眼鏡の接眼レンズや対物レンズが汚れたときは、双眼鏡やカメラ、メガネ用のクリーニングクロスで拭き取りましょう。タオルなどの一般の布ではコーティングを傷つけるおそれがあります。砂ぼこりなどが付いた場合は、すぐに布で拭かず、ブロアーでゴミを吹き飛ばした後にクリーニングクロスを使うのがベストです。

また、接眼レンズに皮脂や化粧が付いてしまった場合は、カメラ量販店で売られているカメラ用レンズクリーナー液をカメラ用クリーニングクロスに適量つけて拭き取ります。最近では、あらかじめクリーナー液を染み込ませてあるレンズクリーニングクロスも販売されているので、これを使うと簡単に汚れを拭き取ることができます。

5 ジャンル別、ライターおすすめ双眼鏡12選

ここまでご紹介した双眼鏡を選ぶときのポイントを踏まえ、双眼鏡に詳しいライターがシチュエーション別におすすめする製品をピックアップしました。

■コンサート向き:倍率8倍クラス

ケンコー・トキナー/ウルトラビューEXコンパクト 8×32(30,000円)

【メーカー公式製品情報】

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ケンコー・トキナー/ウルトラビューEXコンパクト 8×32の製品画像

小型・軽量で明るく、視界の広い注目モデル

32mmと大口径なのに、コンパクトでコンサートに最適な8倍双眼鏡。実視界は、倍率8倍としてはトップクラスの8.3°で、広い視界が得られます。重さは375gとコンパクトタイプの双眼鏡と変わりません。レンズ、プリズムの全面に多層膜コートを施したフルマルチコートで対象を鮮明に見ることができます。アイレリーフは15.2mmと長く、防水設計&抗菌設計となっています。

ニコン/PROSTAFF P7 8×30(オープン価格)

【メーカー公式製品情報】

ニコン/PROSTAFF P7 8×30の製品画像

広い視界で動きまわる推しをしっかり追える

実視界は8.7°、見掛け視界は62.6°と8倍双眼鏡としてはトップクラスの視界の広さを誇ります。レンズ、プリズムには高度な多層膜コーティングを採用し、明るい視界を確保。防水・防曇構造で、対物レンズ、接眼レンズには撥水・撥油コーティングを施し、汚れが付きにくくなっています。アイレリーフは15.4mmと長く、視度補正リングは便利なロック付き。

■コンサート向き:倍率10倍クラス

ケンコー・トキナー/ウルトラビューEXコンパクト 10×32(32,000円)

【メーカー公式製品情報】

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ケンコー・トキナー/ウルトラビューEXコンパクト 10×32の製品画像

ライブやコンサートで使いたい双眼鏡の決定版

口径32mmの10倍双眼鏡としては非常にコンパクトで、ウルトラビューEXコンパクト 8×32と同じサイズ。実視界は6.7°と広い視界を確保しています。重さは370gとコンパクトタイプの双眼鏡と変わりません。レンズ、プリズムの全面に多層膜コートを施したフルマルチコートで明るく、鮮明に見えます。アイレリーフは15mmと長く、防水設計&抗菌設計となっています。

ニコン/PROSTAFF P7 10×30(オープン価格)

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ニコン/PROSTAFF P7 10×30の製品画像

高い光学性能でクリアな視界が得られる普及モデル

PROSTAFF P7 8×30と同じサイズのボディの10倍双眼鏡。実視界は6.6°を確保しています。レンズ、プリズムには高度な多層膜コーティングを採用し、明るい視界を確保。防水・防曇構造で、対物レンズ、接眼レンズには撥水・撥油コーティングを施し、汚れが付きにくくなっています。アイレリーフは15.4mmと長く、視度補正リングは便利なロック付き。

■コンサート向き:高倍率の防振双眼鏡

ケンコー・トキナー/VC スマート 14×30(85,000円)

【メーカー公式製品情報】

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ケンコー・トキナー/VC スマート 14×30の製品画像

防振機能付きの明るく使いやすい双眼鏡

30mmの口径を持つ高倍率の防振双眼鏡としては、非常にコンパクトなモデル。倍率は14倍で、100m先にいる推しを約7mまで引き寄せて見ることができます。リチウム電池1本で連続約12時間も手ブレ補正が働き、防振機能のスイッチは使いやすいスライド式。フルマルチコーティングで明るい視界を確保し、アイレリーフは14mmとなっています。

キヤノン/BINOCULARS 12×32 IS(オープン価格)

【メーカー公式製品情報】

キヤノン/BINOCULARS 12×32 ISの製品画像

強力な手ブレ補正機能を持つ実用性の高いモデル

コンサート向けとして人気の高いキヤノンのIS双眼鏡のなかで、明るい視野と扱いやすいサイズを両立させた32mm口径の12倍モデル。最大の特徴は独自の手ブレ補正システム「IS」で、高い補正精度を誇ります。また、一点を集中して見るときに有効な「パワードIS」も搭載。手ブレ補正はボタンを押してから5分間連続作動する仕組みです。すべてのレンズ、プリズムに多層膜コーティングが施されています。

■コンサート向き:コンパクトな防振双眼鏡

ケンコー・トキナー/VCスマートコンパクト ブラック 12×21(79,000円)

【メーカー公式製品情報】

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ケンコー・トキナー/VCスマートコンパクト ブラック 12×21の製品画像

コスパに優れた小型の防振双眼鏡

12倍のコンパクトな双眼鏡に防振機能を搭載した小型・軽量モデル。単3形アルカリ乾電池1本で約10時間駆動するので、とても経済的です。防振機能のスイッチは使いやすいスライド式。レンズ、プリズムの全面に多層膜コートを施したフルマルチコーティングで、明るく、クリアな視界が得られます。接眼レンズには撥水・撥油コートを採用し、化粧などの汚れが付着しづらくなっています。

ニコン/10×25 STABILIZED(オープン価格)

【メーカー公式製品情報】

ニコン/10×25 STABILIZEDの製品画像

携帯性に優れた手ブレ補正機能つき双眼鏡

コンパクトサイズのボディーに、手ブレ補正機能を搭載したスリムな双眼鏡。手ブレ補正スイッチはボタン式で、約10分で切れるオートパワーオフ機能が付いています。口径は25mmで、小型軽量モデルとしては十分な明るさを確保。全面多層膜コーティングが施されています。スタイリッシュなデザインで、ボディのカラーラインはレッド、ブルー、グリーンの3色から選べます。

■野鳥観察や自然観察向き

コーワ/BDⅡ32-8 XD(48,400円)

【メーカー公式製品情報】

コーワ/BDⅡ32-8 XDの製品画像

優れた光学性能を持ち、野鳥の細部の色合いまで見える

対物レンズに特殊低分散性を持つXDレンズ(eXtra low Dispersion lens)を採用し、より明るくクリアな像を実現させた高性能双眼鏡。8倍の実視界は8.8°と広視界設計でありながら、周辺部までシャープで快適に観察を楽しむことができます。持つ手に重さを感じさせない重量バランスで携帯性も抜群。完全防水構造でもあるため、いかなる環境でも安心して使用できます。

ビクセン/アトレックⅡ HR10×32WP(33,000円)

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ビクセン/アトレックⅡ HR10×32WPの製品画像

ピントの合う最短距離が短く、花や虫の観察にも使える

口径32mmの10倍双眼鏡。実視界は6°と控えめですが、レンズ、プリズムの全面にマルチコートが施され、明るくクリアな視界が得られます。防水設計となっており、ハードな使用にも耐えるラバーボディを採用。約1.2mの至近距離までピントが合うので、遠くの対象だけでなく、足元の花や虫などの自然観察に活用することができます。

■天体観察向き

ケンコー・トキナー/Artos 8×42 W(19,900円)

【メーカー公式製品情報】

ケンコー・トキナー/Artos 8×42 Wの製品画像

星団や星雲の観測にも使える天体観察入門用モデル

口径が42mmと大きく、30mmクラスに比べて明るい双眼鏡。実視界が8倍としては広い8.2°で天体を探しやすいのも魅力です。やや大柄のボディで持ちやすく、防水設計。アイレリーフは17mmと長く、メガネをかけていても安心です。暗い星を観察するのには少し明るさが足りませんが、星団や星雲の観測には申し分ありません。

ビクセン/アスコットZR7×50WP(35,200円)

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ビクセン/アスコットZR7×50WPの製品画像

夕暮れ時や天体観察に威力を発揮する明るい双眼鏡

口径が50mmと非常に大きく、明るさは50.4を確保し、暗い星も鮮明に見ることができる天体観察に最適な双眼鏡。倍率を7倍と抑えたことも、明るさの確保にプラスとなっています。レンズ全面にマルチコートが施され、見え味も良好。1,050gと重いので、長時間の観察にはオプションのビノホルダーを併用し、三脚に固定すると快適です。

6 まとめ

双眼鏡を購入するのはちょっと勇気がいる…でも気になる、試してみたいという方はレンタルを試してみては? 特に防振双眼鏡は高価なものが多いので、レンタルしたものをコンサート会場で使ってみて、気に入ったら購入するという手があります。気になった方は、商品レンタルページをチェックしてみてください。

\kikitoの利用は4ステップ!使い方を動画で解説/

※2022年12月時点での情報です。最新の情報はメーカーのホームページでご確認ください。
※商品写真および画像はイメージです。

取材・執筆

小田切裕介

小田切裕介

1967年、東京都生まれ。カメラ雑誌『CAPA』『デジキャパ!』等の編集者を経て、2009年にフリーランスのライター&カメラマンに転向。カメラ、野鳥、鉄道、旅行など幅広いジャンルの雑誌、ムック、webサイトの記事制作に携わる。初心者にもわかりやすい記事作りがモットー。


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