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Meta Quest 3のイメージ画像

Meta Quest 3の活用レビュー!他機種とも比較して、どんな人におすすめかを紹介

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VRゴーグル
公開日:2024年11月19日


2023年10月に発売された「Meta Quest 3」は、ゲームや仕事に使用でき、若い世代に人気のVR/MRデバイスです。廉価版「Meta Quest 3S」も最近登場しました。デジタル家電ライターが他の競合製品と比較し、使い勝手を検証したので、レンタルや購入を考えている方は要チェックです。

1. Meta Questの種類と違い

Meta Quest 3 Meta Quest 3S
Meta Quest 3 Meta Quest 3S
発売日
2023年10月 2024年10月
最低価格(税込)
81,400円 48,400円

△Meta Questシリーズの比較表

Metaは現在、2種類のVRデバイスを販売しています。古いモデルから順に紹介すると、以下のようになります。

Meta Quest 3 2023年10月発売。複合現実を低価格で提供する、待望の個人向け後継機
Meta Quest 3S 2024年10月発売。Quest3の廉価モデル

2020年に発売されたMeta Quest 2と法人やビジネス利用を想定して2022年10月に発売されたMeta Quest Proは、Quest 3Sの登場により、Metaの公式ストアからは発売終了となりました。終売品となったため、Amazonや量販店での販売も在庫限りとなっています。それに伴い、Meta Quest 3の128GBモデルも在庫限りの発売となっています。

Meta Quest 3 はQuest 2や Proと比べてレンズの解像度がアップし、高画質化を実現。さらにカラーでのパススルー表示に対応しました。本体もコンパクトになり、使い勝手もアップしています。左右のコントローラーはリングレスとなり、小型化しています。

Quest 3Sは、Quest 3の機能とQuest 2の光学系を組み合わせることで低価格化を実現したモデルです。

2  Meta Quest 3を使ってわかったすごいところ

Meta Quest 3の製品画像

Meta Quest 3は高画質のパンケーキレンズと高精細ディスプレイを搭載。さらに、フルカラーパススルー映像の表示や、高性能SoCを搭載するなど、Quest 2から大きく進化しました。これまでにはないVR/MR体験ができます。

■フルカラーパススルーでヘッドセットの中に現実世界が融合

Meta Quest 2とMeta Quest 3のカメラ精度を比較した画像

△Meta Quest 3のフルカラーパススルー機能(写真右)です

Meta Quest 3を装着して一番驚かされたのが、フルカラーのパススルー映像です。ヘッドセットを装着しているはずなのに、室内がフルカラーで目の前に表示されます。Quest 2のグレー映像とは全くインパクトが異なるものでした。

フルカラーの映像は、スマートフォンやパソコンの文字が読め、ヘッドセットをつけたままでできることが飛躍的に増えそうです。

そしてフルカラーで見えるパススルー映像の上に、ウインドウや説明画面が現れるMR環境が体験できました。自室の映像の上に表示される画面の指示に従って設定していくだけで、初期設定、チュートリアルが完了します。

■高解像度化によりドットの隙間がないきれいな映像を表現

Quest 2と大きく違う点の1つが、レンズの解像度が高くなったことです。VR空間内での映像に格子状の隙間が見えることがほとんどなくなり、没入感が飛躍的に向上しました。特に高画質コンテンツを表示するとその差は顕著でした。

また、レンズがProと同じ、薄型のパンケーキレンズ(パンケーキのように薄く、なおかつ大径のレンズの総称)になったことで、ゆがみが少なく、きれいな映像が表現できるようになっています。

Meta Quest 2 片目につき1832×1920、773PPI、視野角90度(水平および垂直)
Meta Quest Pro 片目につき1800×1920、1058PPI、水平視野角106度、垂直視野角96度
Meta Quest 3 片目につき2064×2208、1218PPI、水平視野角110度、垂直視野角96度

3 使ってみておすすめ!Meta Quest 3でできること

Meta Quest 3のヘッドセットを手に持ったイメージ画像

△本体が薄く軽くなったことで首への負担が軽減され、Quest 2よりは疲れにくくなりました

Meta Quest 3でできることとして、個人的によかったのは、本体が薄くなってメガネをつけたままでの取り外しがしやすくなったことと、起動後の画面の動きが機敏になったことです。

ヘッドセット本体のサイズ、形状が変わったことで、取り付けやすさや使い勝手はわずかに変わっています。実測値では間口が5mmほど、広くなっているので、スムーズに脱着できるようになりました。

逆に、ベルトの調節は少しやりにくくなっており、ベストな位置に固定するのにやや手間取りました。ただし、一度位置が決まればそれほど動かすことはなさそうです。

起動後の画面の動きは、Quest 2を使っていたときからそれほど不満を感じていたわけではありません。それでもQuest 3にはサクサクとした動きのよさがあり、違いを感じるようになりました。

■現実が入り交じったMRゲームは未来を体感できる

First Encountersの映像イメージ

△First Encountersの映像イメージ

Meta Quest 3でできるVRゲームも、非常に楽しかったです。Meta Quest 3を実際に使用するのにあたり、MRをわかりやすく体験できるアプリとして『First Encounters』というゲームがプリインストールされています。こちらを試してみました。

まずは室内をスキャン。ゲームをプレイするフィールドは自室です。ゲームが始まると天井や壁を迷子になったエイリアンが飛び出してきます。それを両手に持ったビームで宇宙船に帰していくというシンプルなゲームです。

しかし、自室内にエイリアンが現れ、どんどん壁が壊され、そこから荒涼とした別の星の風景が見えていくのは不思議な体験でした。ゲームとしても緊張感があり、後半は多くのエイリアンが現れ、倒しきれないぐらいでした。

パススルーで映し出した自室の中にエイリアンが現れ、さらに部屋の中を跳ね回るという、MRならではの表現が堪能できました

■VRChatも問題なく楽しめるがスタンドアローンだと、ワールドはQuest限定に

Meta Quest 3でVRChatを利用するイメージ画像

△『VRChat』は、好きなアバターになってコミュニケーションできる大人気アプリ

VRChatは問題なく楽しめた反面、スタンドアローンだとワールドがQuest限定になった点が気になりました。

Questシリーズで人気が高いコンテンツの1つが『VRChat』です。美少女や宇宙人、ロボットなど、好みのアバターを着て、無数にあるワールドを訪れて、ダンスをしたり、ゲームをしたり、おしゃべりをしたりと、さまざまな楽しみ方ができるアプリです。

近年では有名アーティストやYouTuberもVRChat内でイベントを開いています。Meta Quest 3でももちろん、VRChatを堪能できます。

ただし、体験内容はQuest 2と変わりません。わずかに映像はきれいになりましたが、VRChatのアバターやワールドをさらに楽しむためには、高性能GPUを搭載したゲーミングパソコンとの連携が必要です。Meta Quest 3単体だと、あくまでスタンドアロンVRで行けるワールドだけしか行けません。

■immersedを使って複数の大画面モニターで作業

Meta Quest 3でimmersedを体験している画像

△『immersed』を使うと、3画面を表示してパソコン操作ができます。キーボードの映像などがややゆがむのが気になりました

Meta Quest 3で新たにできるようになった体験として注目を集めているのが『immersed』です。これはVR空間やパススルーで見える現実空間に複数のデスクトップ環境を表示するアプリです。いわゆる空間コンピューティングができるようになります。使用するには連携するパソコンやスマートフォンが必要です。

Meta Quest 3とパソコンの両方にアプリをインストールしてセットアップ。するとimmersedのVR空間内に連携したパソコンのウインドウが表示される仕組みです。無料版でもウインドウは同時に3枚表示でき、有料プランに切り替えれば5枚まで表示できます。

面白いと感じたのが、キーボードだけパススルー表示ができること。実際には1画面しかないパソコンでトリプルディスプレイ環境のように使えるようになります。試してみたところ、各ウインドウの位置は自由に設定でき、快適に使用できました。

immersedはVR空間で、ゲストを呼んでパソコンの画面を一緒に見ながら、打ち合わせをしたり、ホワイトボードにメモをとったりできます。VR/MRゴーグルの未来の使い方だといえそうです。

4 Meta Quest 3は買うべき?気になる点&ほかのデバイスとの比較

進化したVR/MRゴーグルとして注目を集めているMeta Quest 3。ただし、Quest 3SやPICO4 Ultraなどの気になる競合機種も数多く登場しています。また、空間コンピューティングと映像視聴ができるスマート(AR)グラスも数多く登場。それぞれメリット・デメリット、向き・不向きがあるため、使い方にあった最適な製品を選ぶ必要があります。

■手軽にフルカラーパススルーのMRが体験できる

コードレスで使えるMeta Quest 3のイメージ画像

△充電時以外はコードなどをつなぐことなく使えます

手軽にフルカラーパススルーのMRを体験したいならQuest 3が選択肢になります。Meta Quest 3は、コードレスで使えるスタンドアロン型のVRゴーグルのなかで最も高画質なところがポイントです

■疲れ具合やVR酔いしないかは要チェック。アクセサリも必須

Meta Quest 3 Eliteストラップのイメージ画像

△重心を調整でき、装着時の安定性も増す「Meta Quest 3 Eliteストラップ」

疲れ具合やVR酔いしないかは、事前のチェックをおすすめします。長時間使う場合は、アクセサリも必須です。

Meta Quest 3を実際に使った上で気になったのが、前重心で首が疲れることです。Quest 2ほどではありませんが、すべての機構が前面にあるため、長時間使っていると気になりました。

VRゴーグルのバランスが悪いとVR酔いしやすく、気持ち悪くなったり、目が回るような感覚になったりします。Meta Quest 3も長時間使うなら、より安定性とフィット感が得られる「Meta Quest 3 Eliteストラップ」などを用意しましょう。

■MRを活用したいなら、スマートグラスの方がおすすめ

スマートグラスのイメージ画像

△サングラスのようなフォルムで大画面が表示できるスマートグラス

『VRChat』のようなVRアプリやゲームはせず、大画面での映像表示や空間コンピューティングを目的とするなら、VRゴーグルよりスマートグラスの方が向いています。

大きめのサングラスサイズなので、持ち運びや、新幹線移動の際などの日中使いもしやすいです。スマートフォンやパソコンと連携するだけで多彩な使い方が可能。VRには対応できませんが、AR/MRは手軽に体験できます。

■Steam連携で超高画質VRゲームを楽しむならパソコン用VRゴーグルも選択肢

ゲームプラットフォーム「Steam」と連携して、パソコン用の高画質VRゲームを楽しみたい場合や、『VRChat』を高画質で楽しみたい場合には、ゲーミングパソコンとの連携が欠かせません。この場合、パソコン用VRゴーグルも選択肢。部屋に動きを認識するためのトラッカーを配置すれば、全身の動きをVR空間に取り込めます。

なお、Meta Quest 3やPICO4 Ultraなどもワイヤレスでゲーミングパソコンと連携可能。手軽さを重視するなら、Meta Quest 3やPICO4Utlraを導入した上で、さらに高画質で遊びたくなったら、ゲーミングパソコンを追加するのがおすすめです。

■これからVRを体験してみたい初心者なら、まずはVRレンタルもおすすめ

空間コンピューティングの盛り上がりや有名YouTuberの『VRChat』参加などで、再び注目を集めているVRゴーグル。画質や性能が向上し、より多くの楽しみ方が増えています。しかし、高価なVRゴーグルをすぐに購入するのはハードルが高いもの。

まずは購入前にレンタルで試してみるのがおすすめです。ゲームや『VRChat』、MRでの空間コンピューティングなどを1か月ぐらいかけてゆっくり試してみてはいかがでしょうか。

5 Meta Quest 3検討時のよくある質問

Meta Quest 3を楽しむ人のイメージ画像

初めてVRゴーグルを購入する場合、わからないことだらけだと思います。Meta Quest 3の購入を検討しているときの素朴な疑問にお答えしましょう。

■パソコン接続は簡単にできる?

Meta Quest 3とゲーミングパソコンはワイヤレスで簡単に接続できます。同じネットワーク(Wi-Fiや有線LAN)に接続した上で、同じアカウントでログインしておけばQuest Link機能を立ち上げるだけです。

■メガネはつけたまま遊べる?

幅が大きすぎないメガネならつけたままで、ゴーグルを装着できます。古いメガネなどをVRゴーグル専用にする人もいるようです。

6 まとめ

Meta Quest 3は画質、使い勝手などが優れた非常に魅力的なVRゴーグルです。これまでQuest 2など、1世代前のVRゴーグルを使っていたユーザーなら、新しく搭載された新機能を含めて使いこなせるはずです。

その反面、VR初心者にはちょっとハードルが高いのも事実。より初心者向けのVRゴーグルやスマートグラスの方が魅力的かもしれません。まずは気になった製品を、購入前にドコモの家電レンタル・サブスクサービス「kikito」で借りて試してみてはいかがでしょうか。

※2024年10月時点での情報です。最新の情報については、詳しくはメーカーのホームページでご確認ください。
※商品写真および画像はイメージです。

取材・執筆

デジタル家電ライター コヤマタカヒロ

デジタル家電ライター。1973年生まれ。大学在学中よりカルチャー誌でライターデビュー。パソコン、AV関連のデジタル機器から、白物家電、それらを取巻くサービスについて、レビュー、検証、開発インタビュー、執筆活動を行う。三女の父。米・食味鑑定士。撮影とテストの空間「コヤマキッチン」スタート。企業のコンサル活動も対応。家電のためのコミュニティ「家電総合研究所」も開設。
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