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XREAL Air 2イメージ画像

スマートグラスはモニター代わりになるのか?実際にXREAL Air 2を使用して検証してみた

ARグラス XREAL Air 2

ARグラス XREAL Air 2

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ARグラス
公開日:2024年11月12日

IT・家電ジャーナリスト 安蔵靖志さん画像

執筆者


自宅や出先でパソコンを使って作業する際、大きなモニターがほしいと思ったことはありませんか?今回は、スマートグラスをモニター代わりに利用できるのかを実際に検証。メリットやデメリットだけでなく、専門家から見たポイントも解説します。

1 スマートグラスとは?

△左右のレンズに小型ディスプレイを搭載したスマートグラス

スマートグラスは、メガネ型のウェアラブルデバイスで、スマートフォンなどの機器と連携することでさまざまなことができる製品です。

左右の レンズに小型ディスプレイを搭載しており、スマートフォンに表示される情報を確認したり、映像を視聴したりできます。現実世界にデジタル情報を重ね合わせるAR(拡張現実)機能に特化した 「ARグラス」もスマートグラスの一種です。

2 スマートグラスをモニター代わりに使うメリット

スマートグラスをモニター代わりに使用することで、多くのメリットが得られます。

■ハンズフリーで作業が可能

スマートグラスを使用している女性のイメージ画像

△スマートグラスなら当然ハンズフリーです

メガネ型のウェアラブルデバイスであるスマートグラスは、当然ながら 両手が自由になるため、何をするにしても作業に支障をきたすようなことがありません。作業現場でも使用されています。

■どこでも使用できる

XREAL Air 2を使用しているイメージ画像

△アウトドアでも周囲の環境に目を配りながら大画面で映像を楽しめます

スマートグラスはメガネ型のため、プロジェクターなどと違って持ち運びがしやすいのも大きなメリット。デスクだけでなく、ソファでリラックスしながら、ベッドで横になりながらなど、 好きな場所、好きな体勢で映像を楽しんだり作業したりすることができます

移動中にもメールチェックや資料確認が可能になり、時間を有効活用できます。ただし、パソコンと接続する場合はキーボードやマウスなどを使用するスペースを確保する必要があります。

■遠隔から視覚的な情報伝達や指示が可能

スマートグラスの使用イメージ画像

△カメラ付きなら、視覚的な情報で作業を指示したりすることも可能です

カメラやセンサーなどを搭載するスマートグラスであれば、カメラの映像やセンサーのデータを遠隔地に送信し、それにもとづいた作業の指示をリアルタイムでディスプレイに表示することもできます。

3  実際にスマートグラスをモニター代わりに使って作業してみた

仕事で使用することを想定し、スマートグラスをモニター代わりにしてさまざまな作業を行ってみました。今回はXREALのスマートグラス「XREAL Air 2」を使用しています。

■スマートグラスでは、Excel作業やメール確認は問題なし

スマートグラスの使用イメージ画像

△視界を遮ることなく、必要なデータや映像が目の前に表示されます

USB Type-Cケーブルで映像出力ができる「DisplayPort Alternate Mode」対応のUSB端子を搭載するパソコンなら、 ケーブル1本でスマートグラスに映像を出力できます。パソコンと同じ画面を表示できるほか、一般的なモバイルディスプレイなどと同様にサブディスプレイとして別の画面を表示することも可能です。

XREAL Air 2とパソコンを接続したところ、フルHD(1980×1080ピクセル)の高解像度ディスプレイにパソコンの画面が表示されました。フルHDの解像度は最近のディスプレイとしては決して超高精細というわけではありませんが、 メールの確認や返信、Wordを用いた文書作成やExcelでの表計算作業などは全く問題なくできます。

■デザイン系の作業には課題が残る

メールやWord、Excelなど、文字や数字を扱う作業については問題ありませんが、Adobe Photoshopでのフォトレタッチ作業など、ディテールを確認しながら細かい作業を行うのに向いているとはいい切れません。

通常のモニターの場合、画面の拡大・縮小だけでなく、自らモニターに近付いたり少し離れたりしてモニターに映っているものを確認することがあると思います。しかし、スマートグラスの場合は、スマートグラスに映るディスプレイとの距離が常に一定のため、そういった使い方はできません。

もちろん、スマートグラスに映る画面を拡大・縮小すれば同じように作業できますが、ディテールをしっかり確認したい場合にはそれほど使い勝手がよいとはいえません。

人によって好みがわかれるところなのだと思いますが、個人的には頭を左右に動かしても首をかしげても、常にディスプレイが目の前に映る状況に違和感を覚えました。XREAL Air 2の場合、Mac向けに用意されている「Nebula for PC」(Windows版は現在β版として利用できる)を使うと3DoF表示(頭を動かしてもディスプレイが同じ場所に見える)が可能になります。この機能を使うことで、メールの確認作業などがより違和感なく行えました。画面がずっと目の前に表示されることで酔いを感じるような人は、そうした使い方を検討してみてもいいかもしれません。

■Zoomも参加だけなら問題なし

Zoomなどのビデオ会議システムも、視聴もしくは自分の姿を映さずに参加するだけであれば問題なく使えます。話者の顔や投影資料の詳細もちゃんと確認できました。ただし、XREAL Air 2などの スマートグラスには自撮りカメラが搭載されていません。そのため、装着すると自分の顔を映し出すことができなくなるため、その点は注意が必要です。

■映画やゲームなどの娯楽での利用が最適

スマートグラスの使用イメージ画像

△スマートグラスは映画やゲームを楽しむのに最も向いています

スマートグラスの最もふさわしい使い方は、映画などの映像コンテンツを再生したり、ゲームをプレイしたりすることだと思います。

目の前に巨大なスクリーンがあるような臨場感を味わえるだけでなく、内蔵スピーカーもしくはBluetoothイヤホンと組み合わせることで、立体的な音響とともに迫力の映像を楽しめるからです。

スマホゲームは縦画面のものがほとんどで、横画面でプレイできるゲームは多くありません。その中でも特に横画面でプレイすることが多いレーシングゲームをプレイしてみました。スマホの画面を見ずに操作するのに少し慣れが必要でしたが、ハンドル操作やアクセル・ブレーキ操作が中心のレーシングゲームは特にスマートグラスでプレイするのに向いています。サウンドも比較的高音質で臨場感があり、ゲームの世界に入り込むことができました。

4  出先でも大画面モニターで作業できるか?

外出時に、大きなモニターで作業をしたいときにもスマートグラスは役立ちます。実際に、カフェで大画面モニターを使って作業を行ってみました。

■外付けモニターとしての動作は問題なし

出先でスマートグラスを使用しているイメージ画像

△ノートパソコンにXREAL Air 2を接続して作業を行ってみました

USB Type-Cケーブルを使ってスマートグラスをノートパソコンに接続してから装着すると、目の前にパソコンの画面が大きく広がります。サングラスの奥に画面が表示されるスタイルなので、周囲の環境も見えるかたちで作業を進めることができます。

ノートパソコンの場合、視線を下に向ける必要があるため、どうしても背中が丸まってしまいます。しかし、スマートグラスの場合は目の前に画面が表示されるため、背筋を伸ばした姿勢で作業ができます。姿勢が悪くて肩コリがひどいという方にはおすすめかもしれません。

■少し浮いているように見えるのが恥ずかしい

装着シーン

△装着した本人は違和感がないのですが、周りの人が斜めから見ると少し浮いているように見えます

装着してみると全然違和感はないのですが、周りの人からすると、少し大きくて分厚いサングラスをしているように見えるでしょう。また、サングラスからケーブルが伸びているところも、普通のメガネやサングラスとは異なる部分です。

テーブルにノートパソコンを置いて宙を見つめながら作業をしている姿も、ちょっと異様に見えるかもしれません。

5  スマートグラスをモニター代わりに使う際の注意点

スマートグラスをモニター代わりに使いたい場合の注意点を紹介しましょう。

■視野角の広さを確認する

スマートグラスを選ぶ際、 視野角の広さは快適な使用体験を左右する重要な要素の一つです。視野角が広いほど、まるで目の前に巨大なスクリーンがあるかのような体験ができます。パソコンのモニターをスマートグラスに映し出す場合、広い視野角であれば、複数のウィンドウを同時に表示して見比べたりしながら作業することが容易になります。

視野角が狭い場合、表示できる範囲が限られてしまい、コンテンツの一部が見えない、あるいは首を動かさなければいけないといった状況が発生する可能性があります。視界の限られた部分にしか映像が表示されないため、違和感を覚えたり、目が疲れやすくなったりするかもしれません。

■重量と装着感に注意する

装着イメージ画像

△XREAL Air 2を装着したところ

スマートグラスをモニター代わりに使用する場合、 軽さも非常に重要です。メガネのように長時間装着するため、少しでも重いと、首や耳に負担がかかり、頭痛や疲労の原因となります。

また、快適に使用するには軽量性だけでなく、 装着感も重要です。鼻あてや耳かけ部分の形状、フレームの柔軟性など、フィット感はデバイスによって大きく異なります。

自分に合ったモデルを見つけるには、販売店で実際に試着して重量感や装着感、そして視野角などを体感するのをおすすめします。知識の豊富な店員に相談することで、自分の用途や顔の形に合ったモデルを選べますし、デモ機を用意している場合は実際に作業してみて機能性や操作性を確認できます。

■度付きレンズ対応や視度調整機能の有無を確認する

 XREAL Air 2にインサートレンズを装着したところ

△XREAL Air 2にインサートレンズを装着。視度調整が可能なモデルもあります

多くのスマートグラスは、普段メガネを使っている方がそのまま装着できるようにはなっていません。自分の視力に合わせて専用のインサートレンズを調整し、それを取り付けてから使います。

一部のスマートグラスには、ダイヤルを回すなどして本体で視度を調整できるモデルもあります。それであれば、普段メガネを使用している人でも、メガネを外してスマートグラスを使用することができます。

ただし、乱視がある場合は視度を調整しても見えづらいかもしれません。乱視に対応した特殊なレンズが必要になる場合もありますので、購入前に必ずメーカーや販売店に相談しましょう。

■接続方法と対応OSを確認する

 XREAL Beamの接続シーン

△XREAL Air 2との無線接続が可能になる「XREAL Beam」を接続したところ

スマートグラスを使用する際には、 接続方法と対応OSをしっかりと確認することが重要です。

スマートグラスとほかのデバイスを接続する方法は、有線接続と無線接続の2種類があります。

有線接続は、スマートグラス本体に直接ケーブルを接続する方法です。安定した通信が可能ですが、ケーブルの長さや取り回しの不便さがデメリットとして挙げられます。

無線接続は、専用端末などを用いて接続する方法です。ケーブルが不要で自由な動きが可能ですが、電波状況によっては接続が不安定になる場合があります。

対応OSは、スマートフォンの場合Androidのみ対応なのか、iPhoneにも対応しているのか、Lightning端子を搭載するiPhone 14以前の場合はどのような接続方法があるのかをチェックしましょう。パソコンについても、WindowsとMac OSのどちらに対応しているのかチェックしてください。

せっかくのスマートグラスが不便で使いにくいといったことにならないよう、使用目的に合った接続方法が可能かどうかを確認してから選びましょう。

6 まとめ

スマートグラスは、映画やゲームなどを楽しむだけでなく、メールの確認、WordやExcelの作業にも十分に使えると感じました。しかし、デザインや重さ、装着感は製品によって異なるため、実際に試してから購入するのがおすすめ。

kikitoでは最新のスマートグラスのレンタルも行っているので、見え方や重さ、装着感など気になるポイントを自宅でじっくりお試しできます!気に入ればそのまま買取りもできるので、レンタル費用が無駄にならないのもポイントです。

※2024年8月時点での情報です。最新情報について、詳しくは「メーカーのホームページ」でご確認ください。
※商品写真および画像はイメージです。

取材・執筆

IT・家電ジャーナリスト 安蔵靖志さん画像

IT・家電ジャーナリスト。家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)。AllAbout家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電製品リサーチや構成などにも携わっている。
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